座談会

師長たちに聞く「これが相原病院のシームレスな看護とボーダレスな環境」

“まず、病棟での仕事についてはどうですか?”

前田CNS.
平均在院日数14日、平均入院患者数22~23人で満床になっても31人。日勤はリーダー1人とメンバー3人が勤務しているので、受け持ち患者さんは7~8人くらいですね。
浅野Ns.
夜勤は2人で勤務しているので受け持ち患者さんは10人少々です。ゆっくりと患者さんの病状を確認できますし、逆にゆっくりお話しし過ぎて時間がなくなったりして焦ることもあります(笑)。
徳永Ns.
主な患者さんは乳腺疾患、人工関節やスポーツ整形の術前術後が中心で、重症患者さんはあまりいないです。オペも1日1~2件で、多くても3件なので夜勤帯にバタバタすることもないですね。
福田Ns.
日勤と夜勤の変則2交代勤務で、残業はあまりないので、プライベートも楽しめます。超過勤務がほとんどない分、忙しすぎる前の職場に比べると収入は少なくなるのは仕方ないよね~。

“病棟の雰囲気とかは?”

浅野Ns.
人工関節の患者さんは感染対策に気を付けながら、デイルームでみんな一緒に仲良く食事を取ってくれて、患者さん同士で情報交換もされていて、とても明るい雰囲気です。患者さんともゆっくりお話ができるところが私は気に入っています。
前田CNS.
重症患者さんはほぼいないし、人工関節の術後も翌日離床なので、ケアの必要な患者さんは少ないし、身体は楽ですね
また、薬剤師・理学療法士・栄養士など他職種が患者さんの状態を把握し、リアルタイムで相談でき、ケアに還元できている。それができるのが小規模病院の強みだと思う。

“入院は手術目的の患者さんばかりですか?”

許田CNS.
乳がん患者さんは、手術目的の方の他、がん薬物療法の方も入院されています。抗がん剤の点滴治療初回の短期入院が主ですが、ご家庭の事情や副作用との兼ね合いで、希望で毎回投与日だけ入院される方もいて、病院の姿勢が外来化学療法一辺倒ではないというか、患者さんが安心して治療・療養できるのを最優先にできるのがいいなぁと思ってます。
また、件数はそこまで多くありませんが、乳がんが進行した患者さんの症状緩和目的の入院もあります。院内の医師や薬剤師、地域の訪問診療医や訪問看護ステーションとも連携・協力し、患者さんとご家族のケアをがんばってます。

“ナースの雰囲気はいかが?”

福田Ns.
新卒がいなくて既卒中心。ほぼみんなが他の基幹病院を経験しているから、それぞれ経験してきた違いがあるのが面白いし、刺激にもなるよね。
矢代Ns.
あまり上下関係にうるさくなくて基本的に仲良しなのがいいですね。他院での経験を経た活気ある若いスタッフが多く、皆でにぎやかに頑張っています。
浅野Ns.
皆で患者さんをみようって意識があるので、時折同じ情報を別のナースが、すでに担当医に報告してて、「もう2人から聞いたよ~」なんて言われることも・・。
徳永Ns.
私はそんなに仕事が早い方ではないんですけど、みんなが助けてくれるので助かっています。小さい職場だけど、レベルの高い看護が経験できるので、ぬるま湯ではなく、お互い良い緊張感もある雰囲気かなって思っています。

“外来はどんな感じですか?”

矢代Ns.
地域に密着し、長年通っていただいている患者さんから、乳腺疾患や人工関節、スポーツ整形の患者さんは近畿圏内外からも幅広く来院されます。
ナースは、病棟・外来の分け隔てなくシームレスで、どこの部署も兼任している人が多いですね。術前外来から病棟での術前後の看護をして、退院後の元気になった患者さんにまで連続して関われるのが小規模病院の魅力だと思います。
福田Ns.
私はオペにも入っているから、術前は車椅子で手術も大変だった人工関節の患者さんが、外来に明るく歩いて入って来てくれると、自分のおばあちゃんの様に素直に嬉しくなってしまう!同時期にオペをした患者さんたちが、日にちを合わせて外来受診され、同窓会みたいになっていることもよくあるよね。
許田CNS.
乳腺科は外来診療に加え、外来化学療法もかなり多くやっているので、少し大変ですけど、同じスタッフが連続して関われるので、患者さんにとっても安心ですよね。
それに、点滴治療だけではなく、内服の抗がん剤やホルモン剤で治療中の方にも、医師の診察前に必ずナースが問診を行い、服薬できているか・困り事はないか等フォローアップして副作用や不安な気持ちに対処しながら生活する患者さんを支援しています。これって、どこの病院でもできている事ではないので、当院の強みの1つだと思っています。あと、点滴・内服に関わらず、抗がん剤治療を受けている患者さんの診察には、薬剤師さんもできるだけ入ってくれているので、協力・相談しやすくて、ナースとしても安心してケアができます。

“オペ室の状況はどうですか?”

福田Ns.
年間オペ件数450件、乳腺約150件、整形は人工関節が約200件で、スポーツ整形が約50件。それ以外に骨折や小手術が月に数例程度で、緊急オペはほぼ無いのが嬉しい(笑)。整形は主に人工関節の手術なので、器械が多くてかなり専門的なので大変、でも慣れると言われた器械を渡しているだけのオペではなくて、手術に参加している感満載で面白い。それに当院で初めてオペ室に入ったスタッフが1人でオペにつけるようになった姿を見ると、ものすごい感動する。
徳永Ns.
私は当院で初めてオペ室に入りました。病棟での患者さんとの関わりが大好きで、手術室での仕事が自分に務まるか不安だったけど、今では、手術に関わっているからこそ術後の病棟の患者さんにより詳しく説明や指導ができるようになったのが嬉しいです。

“研修とかはどうされていますか?”

前田CNS.
病棟では、毎週乳腺科やリハビリテーション科のカンファレンスを行って、他職種とも情報交換を行っています。
矢代Ns.
基本的にはOJTで、月に1回くらいは疾患勉強会を行い、看護の質の向上に努めています。勉強会は医師や専門看護師からの講義もありますし、スタッフがテーマごとに分担して行うこともあり、主体的に参加できるよう工夫しています。個人的に看護協会とかのセミナーに行っているナースも多いです。
福田Ns.
乳腺も人工関節もそれぞれメイン学会で、学会発表とか自発的にしているので、学会出張がてら美味しいものも食べられたり・・・、楽しみも作りつつ、参加しています!
許田CNS.
がん患者さんとのコミュニケーションや、病態生理の理解など、スタッフが困ることもあって、そういう時は知識の提供や一緒にアセスメントやケアを検討するなどの相談支援をしています。スタッフが自信を持ってケアに取り組めるようと思って、サポートしています。

“レクリエーションなどはありますか?”

福田Ns.
小規模病院なので、忘年会や歓送迎会では、行きたいお店に連れてってもらってる。毎年ではないけど、院内旅行は楽しみの1つだよね。阿蘇で15人で見た流れ星はサイコーだった。不定期でボーリング大会をしたり、クリスマス会をした年もあったなぁ。仲良しメンバーとはよく食事や遊びにも行ってるよね。
矢代Ns.
チーム会や勉強会の後はゴハンに行って本音で話し合ったり、仲の良いメンバー同士でドライブ行ったりしてて、‘バラバラにならない程度の団結とキツ過ぎない結束‘って感じですね。

“最後に、どんなナースが当院に適していますか?”

矢代Ns.
今までの経験を元に、高いレベルの看護を忙し過ぎない環境でやってみたいってナースですね。実際に私も仕事と家庭と育児を両立させていますから・・。
浅野Ns.
私はずっとこの病院しか知らないけど、新しいメンバーからはいつも新鮮な情報と知識をもらえるので助かってる。今までバリバリやってきた人じゃなくて、むしろ今まで専門的な看護や急性期を経験できなくて、“よし、今からやってみたい!”ってナースにも面白い職場じゃないかな・・と思う。
福田Ns.
公立病院の激務で余裕のない毎日で職場に慣れてきたら会議だらけ。そして希望外の異動命令とかを経験してからこの病院に来たので、ほぼ定時で仕事を終わらせ、予定通りに友達のゴハンに行けたり、プライベートも満喫できるのが嬉しい。勿論、仕事は本気でできる。そんな環境がいいなぁ~と思うナースには最高の職場かな。
徳永Ns.
私はこれから結婚して子育てもしたいです。でも、オペ室の看護ももっと深く知っていきたいと思います。今のところ、それができそうな状況なのでホッとしています。私みたいなマイペースでもやっていけてるので、誰でもウチに興味がある方なら楽しくやっていけるんじゃないかな・・と私は思います。