薬物療法の種類と必要性
乳がんの薬物療法には、
- ホルモン療法
- 化学療法(抗がん剤)
- 抗HER2療法
があります。
病気を治すために、非常に重要な治療です。
副作用は心配ですが、むやみに怖がるのではなく、メリット・デメリットをよく考えて、治療法を選択しましょう。
乳がんの薬物療法には、
があります。
病気を治すために、非常に重要な治療です。
副作用は心配ですが、むやみに怖がるのではなく、メリット・デメリットをよく考えて、治療法を選択しましょう。
その理由は、「乳がんは手術だけでは治らない場合がある」からです。
手術は、乳房やリンパ節にある乳がんを取り除く治療法であり、『局所治療』といいます。 放射線治療も同じく『局所治療』です。
一方、お薬は、口から飲んだり、血管から点滴するので、血液の流れで全身に行き渡りますので、どこかに隠れている、乳がんの細胞をたたくことができるのです。そのため、薬物療法は、『全身治療』といわれます。
手術の時点では、超音波・CT・骨シンチ・PETなどの検査をしても、ほとんどの人に異常は見られません。
検査では捕らえられない乳がん細胞が、手術の時にすでに血液やリンパの流れにのって全身にまわっていて、この乳がん細胞が時間とともに増殖して目に見える転移になるからです。
手術で、局所の乳がんを取り除くことはできます。 しかし、全身にまわっている乳がんの細胞の広がりは、外科医の手の届く範囲を超えているのです。
そこで、全身に隠れているかもしれない乳がんの細胞をたたくために薬物療法の出番です。
それは、転移が目に見えるようになってからでは、乳がんを完全に治すことは、非常に困難だからです。
そして、乳がんの手術後に薬物療法を行うことで、転移の危険性が減り、生存率が改善することが、示されているからです。
厳しい言い方かもしれませんが、転移すると完治させるのは困難な場合が多いのです。だからこそ、今の内にしんどくてもお薬で転移を防ぐことが重要です。
ただ、すべての人に薬物療法が必要ではありません。
非浸潤癌やしこりが小さくリンパ節転移がないという再発の危険が低い人は、メリットがほとんどないのでおすすめしないことがあります。
また、乳がんの病理検査の結果によっては、ホルモン治療だけ、または抗がん剤だけをおすすめする場合もあります。