乳がん検診

乳がんになる人は増えているのですか?
日本では、一年間におよそ86,000人が乳がんに罹患すると推測されています(国立がん研究センターHPより)。胃がん、大腸がんと並んで、乳がんは女性に最も多いがんの一つです。
何才くらいの人に乳がんが多いのですか?
日本人は40~50才過ぎに乳がんが多いのですが、近年は60才以降に乳がんになる方が増えています。20才代では乳がんの可能性がゼロではありませんが、良性のしこりの場合が多く、ほとんどの場合乳がんではありません。
マンモグラフィーは痛いですか?
月経前に乳房がはっていると痛く感じることがあります。月経が終わるころであれば、痛みはましです。
身内に乳がんがいないから、乳がん検診は受けなくてもいいですか?
身内に乳がんがいない乳がん患者さんがほとんどです。症状が無くても、40才以上になったら定期的に検診を受けましょう。
集団検診(バス検診)と個別検診(病院・クリニック)はどこが違うのですか?
検査の内容は同じです。ただ、マンモグラフィーは過去の検査と比較することで乳がんをより発見しやすくなります。同じ医療機関なら過去の検査と比較できますが、集団検診では事業者が変わると比較ができないという違いがあります。
胸にしこりを感じるのですが、乳がん検診の日を待っていてよいですか?
症状のある方は乳がん検診を待たずに、すぐに精密検査を受けてください。
子供にはおっぱいをあげていたので、乳がんとか大丈夫ですよね?
授乳した子供の数が多いほうが乳がんの危険度が低くなりますが、少し下がる程度なので、大丈夫とはいえません。
乳がん検診は2年毎で良いのでしょうか?
自治体による乳がん検診は2年毎ですが、これは費用対効果を考えてです。マンモグラフィーによる乳がん検診を2年毎にした場合と毎年した場合を直接比較したデータがなく、何れが良いのか厳密には分かりません。ただ、検査回数を多くすると本当は異常がないのに精密検査となる(偽陽性といいます)可能性が高くなります。その一方、1年後に検査した場合に乳がんが見つかる場合もあります。いずれを選択するのかはその人次第といえるでしょう。

精密検査

乳がん検診で精密検査といわれました。
乳がん検診を受けた方の5-10%は要精密検査となります。精密検査の場合でも、乳がんの可能性はそのうちの5-10%になります。つまり、精密検査といわれても、乳がんでない可能性が90%以上です。あまり心配せずに精密検査を受けてください。ただ、だからといって精密検査を先延ばしにするのは良くないので、できるだけ早めに受けてください。
乳がんの精密検査とは、どんな検査ですか?
検診でマンモグラフィーを一方向しか撮影していなければ、精密検査では二方向の撮影を行います。加えて、超音波検査を行います。超音波検査で異常がみつかれば、細胞診(リンク)もしくは針生検(リンク)を行います。以上はすべて外来で検査可能です。
CTやMRIは精密検査ですか?
CTやMRIは乳がんと診断がついた後で乳房の中での広がりを調べるために使います。乳がんの診断がつく前の精密検査としては行いません。
石灰化のために精密検査が必要といわれました。
石灰化はエコーで病変が見つかれば、そのまま細胞診か針生検を行います。エコーで見つからなければ乳がんの危険性は低くなりますので、マンモグラフィーで経過観察をするか、確定診断をつけたい場合はマンモグラフィーで乳房をはさみながら針生検をします。
細胞診とは、どんな検査ですか。
血液検査の時と同じ針と注射器でしこりから直接細胞を採ってくることができる検査です。外来で短時間で簡便にできるのが利点ですが、診断を確定するためには手術などで病理検査をする必要があります。

診断について

線維腺腫といわれました。手術が必要ですか。
線維腺腫はよくある良性のしこりです。乳がんになることはありません。あまり大きくない場合、手術は不要です。一般には3㎝ほどを目安にし、サイズが大きくなれば手術を行います。
葉状腫瘍といわれました。手術が必要ですか。
葉状腫瘍もほとんどが良性ですが、かなり大きくなると悪性になる場合があるので、手術で摘出する場合が多いです。手術した近くに再発することがあるので、少し大きめに取ります。ただ、組織検査でも線維腺腫との見分けがつきにくい場合があります。
乳がんのサブタイプとは何ですか。
乳がんを4つのタイプに分けましょうという考え方です。ルミナルA、ルミナルB、HER2(ハーツー)、トリプルネガティブ(もしくはベイサル)という分け方。
乳頭から分泌液が出てくるのですが、大丈夫でしょうか?
妊娠や授乳もしていないのに、乳頭から分泌液がでてくることがあります。分泌液は無色透明、ミルク様、血液混じりなどがあります。透明やミルク様の場合はほとんど問題ないのですが、血液混じりの場合は、精密検査が必要です。特に、片側性、分泌液がひとつの乳管口からでる場合には、特に乳がんに注意が必要で、血液混じりの場合には、約30%が乳がんであるといわれています。乳がん以外には、良性の腫瘍、炎症、乳腺症などの場合があります。
分泌液に対する検査には、どのようなものがありますか?
細胞診を行って、悪性の細胞があるかどうかを調べることができますが、例えがんが隠れていても必ずしも検出できるとは限りません。超音波検査でしこりを認めた場合には、細胞診や組織診を行います。最終的には、「乳管腺葉区域切除術」という、分泌物がでてくる乳管が分布する乳腺を部分的に切除する、診断と治療を兼ねた手術を行うことが多いです。一般には、乳腺全体の1/6くらいを切除するイメージで、乳房がひどく変形することはありません。皮膚の傷もあまり大きくなることはありません。手術の結果、「乳頭腫」であった場合には、これで治療は終了です。「乳がん」であった場合には、その性質やがんの広がりによっては再手術が必要になります。

手術について

乳房温存療法とはどんな手術ですか
乳がんを含めて乳房を少し大きめに部分的に手術で取り除く乳がんの手術方法です。2㎝ほど大きく取るところもあるのですが、大きく取る方が変形が大きくなります。相原病院では、手術の時に超音波検査で乳がんの場所をマークして、1cmほど大きく取ります。乳がんの位置を精密にとらえることで、手術の時の変形を極力抑えることができます。必要な時には、オンコプラスティックサージャリーの手法を導入して、整容性の向上を図っています。