乳房再建について知っていますか?
岩平先生が執筆された「乳房再建について知っていますか?」のパンフレットに基づいて乳房再建術についてご説明いたします。
乳房再建をするには大きく2つのことを考えることが必要になります。 1つ目は、失った乳房を新たな《何》で補おうと考えるのか、2つ目はそのための手術を乳がんの手術の際に同時に行うのか、乳がんの手術とは別の時期に行うのか、です。
岩平先生が執筆された「乳房再建について知っていますか?」のパンフレットに基づいて乳房再建術についてご説明いたします。
乳房再建をするには大きく2つのことを考えることが必要になります。 1つ目は、失った乳房を新たな《何》で補おうと考えるのか、2つ目はそのための手術を乳がんの手術の際に同時に行うのか、乳がんの手術とは別の時期に行うのか、です。
まず、乳房再建の手術を、乳がんの治療の際に同時に行うのか、乳がんの手術とは別の時期に行うのかについて考えてゆきます。 乳がんの手術の際に同時に再建術を行うことを一次再建といいます。乳がんの治療のあとしばらく時間をおいてから、再建術を行うことを二次再建といいます。 一次再建と二次再建の違いには下記のようなものがあります。
失ったふくらみ(乳房)を新たな《何》で補おうと考えるかについて考えてゆきます。 その種類には3種類のものが考えられます。
エキスパンダーに生理的食塩水を入れて手術は終了します。
針をさして注入しますが痛みはありません。反対側(手術していないほう)の乳房の大きさにもよりますが、反対側の乳房より1.5倍程度大きくなるまで膨らませます。
この間、日常生活での制限はありません。エキスパンダーには小さな金属板が入っているためMRIの検査はこの時期には受けることができません。 エキスパンダーをいれる手術をしてから約8ヶ月以上してから次の手術を行います。
極めてまれ(数十万人に一人)にリンパ腫を発症する危険性が報告されています。
これらのどの種類をもちいて再建術を行っても、感染や炎症をおこすといった問題があります。加齢による乳房の下垂などの問題については、その時期に再度手術する必要がある場合もあります。 また手術していない方の乳房とまったく同じサイズや高さ、質感の乳房を作ることはそもそも難しいことです。 放射線治療をうけた方の場合は、再建術ができない、ということはありませんが、非常に難しく様々なリスクも高くなります。また美容上にも問題がでる場合があります。
いずれかの方法で手術した側のふくらみをつくってから、乳頭・乳輪の移植や再建などを行います。
乳輪の再建には、(1)tattoo(刺青)を用いるもの、(2)手術していない方の乳房の乳輪からの移植、(3)そけい部(足の付け根)部分の皮膚の移植があります。(2)や(3)の皮膚の移植の場合には健康保険が適応されますが、(1)の場合は健康保険は適応されません。
乳頭の再建には、(1)手術していない方の乳房の乳頭からの移植、と(2)局所皮弁法があります。乳頭の再建は、健康保険が適応されます。 乳頭・乳輪の再建は、短い外来でできる手術となります。どの方法が適しているのかについえは、お一人お一人により違いますので、十分に相談して決めてゆきましょう。